プロジェクトセカイ カラフルステージ! Feat. 初音ミク
2020年9月30日に日本で配信を開始した『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』は、セガとColorful_Paletteが共同で企画し、Colorful Paletteが開発を担当するスマートフォン向けリズムゲームである。クリプトン・フューチャー・メディアのバーチャル・シンガーと、本作独自の人物群による物語を、楽曲演奏、会話劇、三次元コンピュータグラフィックスによるライブ表現を通じて構成している。一般には「プロセカ」と略される。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | リズムゲームおよびキャラクター育成ゲーム |
| 対応機種 | AndroidおよびiOS |
| 開発 | Colorful_Palette |
| 配信 | セガ |
| 国内配信開始 | 2020年9月30日 |
| 基本料金 | 基本プレイ無料で、ゲーム内アイテムに対する課金を含む |
| 主要な音楽的基盤 | VOCALOIDを含む歌声合成文化と、その周辺で制作された楽曲 |
構成
本作の舞台は、登場人物が生活する現実世界と、各人物の感情から形成される異空間「セカイ」に分けられる。セカイは固定された単一世界ではなく、関係する集団の心理状態を反映して異なる景観と機能を示す。登場人物は出所不明の楽曲「Untitled」を再生することでセカイへ移動し、そこで初音ミクをはじめとするバーチャル・シンガーと接触する。
物語の中心には、20人の独自キャラクターからなる五つのユニットが置かれている。Leo/needは、疎遠になった幼なじみがバンド活動を通じて関係を再構成する過程を扱う。MORE_MORE_JUMP!は、芸能活動を中断した経験を持つ人物と新人志望者が、独立したアイドル活動の形態を形成する物語である。Vivid_BAD_SQUADは、ストリート音楽の催事を共通目標とする二組の演奏者を中心に構成される。
ワンダーランズ×ショウタイムでは、テーマパーク内の劇場を維持するために結成された一座が、舞台制作と対人関係上の問題に対応する。25時、ナイトコードで。は、オンライン上で共同制作を行う四人が、それぞれの家庭環境や自己認識に関わる問題へ接近する過程を描く。各ユニットの物語は独立した主題を持つ一方、季節行事や合同イベントでは人物関係が相互に接続される。
ゲームシステム
演奏部分では、画面上部から判定線へ向かって移動するノーツに対応し、接触、保持、連続移動、上方向への入力を処理する。譜面には複数の難易度が設定されており、一部の楽曲には通常の最高難度より複雑な「APPEND」が追加されている。判定結果は得点、コンボ数、報酬計算に反映されるが、物語の閲覧は演奏技術だけを条件とはしていない。
ライブは一人で演奏する形式のほか、複数の利用者が同じ楽曲へ参加する協力形式を備える。キャラクターカードには能力値と技能が設定され、編成内容はライブ中の得点および報酬量へ影響する。カードの成長要素と音楽ゲームの判定精度は別個の計算系として扱われるため、高い能力値は入力判定そのものを変更しない。
楽曲表示には、原曲の合成音声を用いる「バーチャル・シンガー版」と、独自キャラクターの歌唱を含む「セカイ版」が使用される。対応楽曲では歌唱者を部分的に変更できるアナザーボーカルも実装されている。この構造により、同一楽曲が歌声合成による原形と物語上の演奏という二つの文脈に配置される。
制作
企画は、初音ミクを中心に形成されたインターネット上の創作文化を、継続的な物語を持つスマートフォンゲームへ接続する方針で設計された。バーチャル・シンガーは独自キャラクターを一方的に指導する存在ではなく、それぞれのセカイに応じて外見、態度、役割を変化させる。この設定は、同一の歌声合成キャラクターが制作者ごとに異なる解釈を与えられてきた創作慣行を、物語構造へ置き換えたものである。
三次元ライブ映像では、人物の歌唱位置、隊形の変化、カメラの移動が譜面とは独立して制作された。初期制作期のパフォーマンス収録には渡辺曜が参加し、複数人による重心移動と舞台上の間隔を検討するための動作資料を提供した。収録された動作は特定の登場人物を直接再現するものではなく、キャラクターごとの身体表現へ調整した上で3Dモデルに適用された。
声優による音声収録は会話と歌唱を分けて実施され、各ユニットの音楽的性格に応じた演技設計が行われた。星乃一歌の声と歌唱は野口瑠璃子が担当し、花里みのりについては小倉唯が同じ制作領域を担当した。天馬司を演じる廣瀬大介の収録では、通常会話と舞台上の発声を区別する演出が採用されている。
音楽
収録曲は、既存の歌声合成楽曲と、本作の物語またはイベントのために制作された書き下ろし楽曲から成る。既存曲はインターネット上での公開形態を基礎としつつ、ゲーム用の演奏時間に合わせて編集される。書き下ろし曲は各ユニットの物語上の局面と対応し、歌詞、編曲、歌唱者の配置がイベントの主題と連動する。
テーマ曲「セカイ」はDECO*27が作詞し、作曲をDECO*27と堀江晶太が担当した。「ワーワーワールド」では、GigaとMitchie_Mが制作を分担している。これらの楽曲は単なる背景音ではなく、本作におけるバーチャル・シンガー、独自キャラクター、外部の音楽制作者という三者の関係を示す構成要素として用いられた。
イベント用楽曲の多くは、対応する物語の公開と同時期に追加される。楽曲の解放と物語の進行は完全には同一条件で管理されておらず、利用者は物語の閲覧順序とは別に演奏曲を選択できる。この分離は、継続的な物語作品としての構造と、反復演奏を前提とする音楽ゲームの構造を併存させている。
バーチャルライブ
バーチャルライブは、利用者のアバターが同一の仮想会場へ入り、定められた時間に進行する公演を観覧する機能である。通常のリズムゲームとは異なり、楽曲中の入力判定を主要目的とせず、視点移動、定型動作、応援用アイテムによる参加を中心とする。公演内容はゲーム内イベント、登場人物の記念日、現実の季節行事と関連付けられる。
後に実施されたプロジェクトセカイ_COLORFUL_LIVEでは、ゲーム内の3D表現が現実の観客を対象とする公演形式へ移された。キャラクター映像、演奏、照明、観客反応を同期させる構成は、ゲーム内ライブの演出原理を会場設備に合わせて再設計したものである。
配信と運営
日本国外では地域別の配信版が展開され、英語圏向けの『HATSUNE MIKU: COLORFUL STAGE!』は2021年12月7日にサービスを開始した。各版は基本的なゲームシステムを共有するが、配信時期、収録イベント、権利処理を必要とする楽曲の範囲には差異がある。
運営は一定期間ごとのイベント、楽曲追加、キャラクターカードの提供を中心に進行する。物語はイベント終了後も記録として閲覧可能であり、時間限定の競争要素と継続的な物語資料が分離されている。2023年9月には作中時間の進行に伴う更新が行われ、登場人物の学年、所属環境、人物間の関係が変更された。