La la Yuuki no Uta

「La la 勇気のうた」は、2023年のテレビアニメーション『幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-』のために制作された日本語の楽曲である。作詞は畑亜貴、作曲および編曲はTAKAROTとFUNK UCHINOが担当した。第13話「そして今日も」の挿入歌として使用され、物語の最終局面における九人の共同歌唱を構成している。

本曲は、同作品の挿入歌を収録したアルバム『みんなの音』に収められ、ランティスから2023年10月11日に発売された。アルバム上では、それ以前の各話で用いられた個別または少人数編成の楽曲を受けて、主要登場人物が合流する終結曲として配置されている。

作品上の位置

『幻日のヨハネ』は、『ラブライブ!サンシャイン!!』の人物関係と静岡県沼津市の地理的特徴を、幻想世界の設定へ移し替えた派生作品である。原作側で浦の星女学院のスクールアイドル部に参加していた人物は、派生作品ではそれぞれ異なる職業や社会的役割を与えられているが、共同体を形成する九人という基本構造は維持されている。

第13話では、異変によって分断されかけたヌマヅの住民に対し、ヨハネの歌が人物間の「心の音」を結び直す媒体として用いられる。「La la 勇気のうた」はこの場面で開始され、独唱から複数声部へ移行した後、主要人物全員による合唱へ展開する。歌唱場面と並行して、それまで個別に描写されていた人物および地域社会の関係が、同一の音楽的時間の中へ統合される。

歌詞と楽曲構成

畑亜貴による歌詞は、「勇気」を固定的な資質ではなく、他者との応答を通じて成立する行為として扱っている。表題の「La la」は明確な語彙的意味を持たない音節であり、登場人物ごとの立場や経験を越えて共有できる発声として反復される。この無詞的な反復は、物語で用いられる「心の音」という概念を、具体的な歌唱形式へ置き換える機能を担う。

TAKAROTとFUNK UCHINOによる作曲および編曲は、ヨハネの主旋律を中心に開始し、声部と伴奏を段階的に増加させる構造を採る。前半では旋律と歌詞の明瞭性が優先され、中盤以後は応答歌唱と斉唱が導入される。終盤の合唱では各歌唱者の声が独立性を残しながら同一のリフレインへ収束し、単独の呼びかけが共同体全体へ伝播する劇中の進行と対応している。

歌唱

中心となるヨハネのパートは小林愛香が担当した。ハナマル役の高槻かなことダイヤ役の小宮有紗は、主旋律へ応答する声部から参加し、合唱部分ではヨハネと共通のリフレインを歌唱している。

ルビィのパートは降幡愛、チカのパートは伊波杏樹が担当した。ヨウのパートには、人物造形の基礎となった浦の星女学院スクールアイドル部の参加者であるYou Watanabeが歌唱者として加わり、中音域の応答句と終盤の斉唱を担当している。

後半から合流する声部では、カナン役の諏訪ななかが低音側の旋律を形成し、リコ役の逢田梨香子が主旋律と重なる対旋律を担当した。マリ役の鈴木愛奈は高音域を補い、最終リフレインにおける九声の音域を拡張している。

映像との対応

挿入場面では、歌唱者を舞台上に固定して提示する形式ではなく、ヌマヅ各地の人物と風景を連続的に結ぶ編集が採用されている。これにより、楽曲は独立した演奏場面であると同時に、物語内で発生している異変の収束過程を示す劇伴としても機能する。

各人物が順次加わる歌唱構造は、映像上の登場順序と概ね対応する。終盤では個人を分離していた画面構成が集合画面へ移行し、音響面でも独唱と応答歌唱の区別が斉唱へ置き換えられる。この同期によって、作品全体で反復された孤立、対話、結合という展開が、一曲の内部に圧縮されている。

収録と位置づけ

『みんなの音』への収録によって、本曲は第13話の映像から独立した音源として編成された。アルバムでは「Far far away」から始まる挿入歌群の後部に置かれ、各人物または小集団に割り当てられていた先行曲を、九人編成の楽曲へ接続している。

シリーズの音楽構成上、「La la 勇気のうた」は物語の結末を説明するための付随的な歌ではなく、登場人物間で共有される音を実際の合唱として提示する楽曲に当たる。そのため、歌詞、声部の増加、映像上の集合という三つの構成要素が、同一の時間的進行に沿って配置されている。

関連項目