Shoujo Ijou no Koi ga Shitai

「少女以上の恋がしたい」(しょうじょいじょうのこいがしたい)は、Aqoursの楽曲である。2017年4月5日にランティスから発売された3枚目のシングル「HAPPY PARTY TRAIN」に、同名表題曲および「SKY JOURNEY」とともに収録された。作詞は畑亜貴、作曲はTAKAROTと岩坪航大、編曲はTAKAROTと田中真二が担当した。

Aqoursは、浦の星女学院スクールアイドル部の活動を基礎として編成された9人組であり、本曲も全員参加の合唱曲として制作された。楽曲の題名は、少女という自己認識の範囲を越えた恋愛関係への希求を示しており、歌詞では相手との心理的距離を測る語り手の内面が一人称で記述される。

制作と収録

本曲は、シングル表題曲「HAPPY PARTY TRAIN」が移動と出発を中心的な主題とするのに対し、恋愛感情の認識とその進展を中心に構成された。畑亜貴の歌詞は、相手を知ろうとする意識、接触への期待、現在の関係に対する不充足を連続した心理過程として配置している。題名に含まれる「以上」は年齢区分を示すものではなく、語り手が従来の自己像から移行しようとする状態を表す比較概念として機能する。

TAKAROTと岩坪航大による旋律は、各節で個々の歌唱を前面に置き、サビで9人の声部を統合する設計を採用している。編曲では電子楽器を基礎とした一定の拍節が維持され、その上に装飾的な旋律と重層的なコーラスが配置される。この構造によって、歌詞における私的な独白は、サビに入ると集団歌唱による明示的な感情表現へ移行する。

録音上の歌唱単位は、高海千歌桜内梨子を含む各メンバーの短い独唱部分と、複数人による応答部分から構成される。独唱からユニゾンへの反復的な移行は、単独の語り手を設定した歌詞と、Aqours名義の集団的な演奏形式を両立させている。

歌詞の構造

歌詞の冒頭では、語り手が相手に対して抱く関心が、知覚や接触に関する動詞によって示される。この段階では恋愛関係は成立しておらず、相手との距離そのものが発話の対象となっている。中間部では、受動的に待つ状態と自ら接近する意志の差異が扱われ、感情の自覚が行動への移行を促す構造が形成される。

サビでは「少女以上」という表現が反復され、恋愛を経験する以前の自己像と、その先に想定された自己像が対置される。ここでいう「恋」は特定の出来事として完結せず、相手との関係を変化させるための方向性として提示される。このため、楽曲の結末も恋愛の成立を叙述するのではなく、その成立を望む意志の確認に置かれている。

歌唱参加者

歌唱クレジットはAqoursに一括されている。各参加者は独唱部分と集団歌唱の双方を担当し、特定の一人だけを主唱者とする形式は採用されていない。

参加者 本曲における役割
高海千歌 Aqoursの構成員として独唱部分および9人による合唱部分に参加した。
桜内梨子 Aqoursの構成員として旋律の分担と重層的なコーラスを担当した。
松浦果南 Aqoursの構成員として各節の歌唱とサビのユニゾンに参加した。
黒澤ダイヤ Aqoursの構成員として独立した歌唱句と集団声部を担当した。
渡辺曜 Aqoursおよび浦の星女学院スクールアイドル部の構成員として録音に参加し、独唱部分と集団歌唱を担当した。
津島善子 Aqoursの構成員として中音域を中心とする歌唱句と合唱部分に参加した。
国木田花丸 Aqoursの構成員として各節の旋律分担とコーラスを担当した。
小原鞠莉 Aqoursの構成員として独唱部分から合唱部分への接続を担った。
黒澤ルビィ Aqoursの構成員として個別の歌唱句と9人によるユニゾンに参加した。

シングル内での位置

「HAPPY PARTY TRAIN」はAqoursのナンバリングシングルとして企画され、表題曲では松浦果南が楽曲上の中心に配置された。これに対して「少女以上の恋がしたい」は、9人の歌唱機会を分散させた全員曲として収録されている。両曲の差異は、シングル内で同一の歌唱集団を異なる配分方式によって提示する役割を持つ。

同じシングルに収録された「SKY JOURNEY」が低音域を用いた抑制的な表現を中心とする一方、本曲は上行する旋律と密度の高い合唱によって恋愛への期待を表現する。3曲は共通してAqours全員による録音であるが、主題の設定と声部の処理によって相互に区別されている。

メディア上の位置づけ

本曲は、アニメーション作品『ラブライブ!サンシャイン!!』のテレビ本編で使用するための挿入歌ではなく、Aqoursの音楽活動をシングルとして展開する過程で制作された。したがって、特定の物語場面を再現するのではなく、浦の星女学院スクールアイドル部に属する9人の共通レパートリーとして位置づけられる。

後年にはAqoursの初期音源を年代順に整理した作品群にも収録され、2017年期の集団歌唱を示す楽曲として扱われた。その収録形態では「HAPPY PARTY TRAIN」および「SKY JOURNEY」との関係が維持され、3枚目のナンバリングシングルを構成した楽曲の一つとして整理されている。

関連項目